近隣の幼稚園などで、手足口病が流行して来ました。
毎年、夏ごろに流行るウイルスの感染症で、特徴的な手足の発疹や口内炎ができます。
熱もあまり上がらず、比較的元気が良いことが多く、自然治癒する病気です。口内炎で口が痛く、水分もとれないようならば脱水の心配がありますが、たいていは軽症ですむ感染症です。
小児保健上では、症状のある時でも元気がいいようなら、幼稚園や保育園の登園は可能なのですが、施設によって登園基準が異なるため、通園中の園に確認してみてください。
くめかわ
Hibワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンの安全性について、質問がありました。
まず、Hibワクチンと狂牛病の関係ですが、ワクチンの製造過程でウシ由来の成分が混入されている可能性はあるのですが、高度に精製されているため、狂牛病の心配はまずないとされています。
厚生労働省が狂牛病を恐れて任意接種にしているというのは、単なるうわさであり事実ではないでしょう。定期接種化が遅れているのは、好意に解釈すれば、予防接種に対して慎重すぎるからのようです。
小児用肺炎球菌ワクチンに関しては、アルミニウム塩や免疫増強剤が入っていることは事実ですが、これはワクチンの品質を保つために必要なものであり、人体に害になるようなものではありません。
接種部位が腫れやすくなったり、接種後の発熱の頻度が少し高くなるようですが、これらは後遺症の心配のない一次的な軽度の副反応と考えられています。
副反応を強調した情報も多いため不安に感じると思うのですが、海外の100カ国以上もの国ですでに定期の予防接種となっているものです。安全性は高いものと思われます。
粂川
赤ちゃんの下痢について、質問がありました。
赤ちゃんの下痢の原因としては、大きく分けて2種類あります。
ひとつは、ロタウイルスやノロウイルス等に代表される、ウイルス性の急性胃腸炎です。もうひとつは、乳糖不耐症やミルクアレルギーなど、ミルクがおなかに合わないときに出現する下痢です。
いずれも、嘔吐や食欲の低下、不機嫌・・・等の症状が現れます。
6ヶ月ぐらいの赤ちゃんだと、離乳食などの影響で便の性質が変わることがあります。便秘になったり、下痢気味になったりと、個人差があっるようです。
食欲が変わらず元気にしているようならば、まず心配はいらないでしょう。
粂川
杉並区では、月曜日~金曜日の平日の夜間(受付時間は午後7時30分~午後10時まで)、荻窪保健所で小児夜間診療を行っています。
診療に当たるのは、杉並区の小児科医会に入っている医師です。多くは、杉並区内で開業なされている経験豊かな小児科専門医なのですが、小児の診療も行っている内科医師の方もいらっしゃいます。内科の医師とはいっても、普段は成人と小児の両方を診療している方ばかりであり、小児科を得意とする内科医師と言えます。
最近になって、月のうち数回は、成育医療センターや大学病院の先生方も加わっていただき、更に内容は充実してきています。
公の機関で運営しているものですので、医療内容や対応など何か疑問な点があれば、区役所や保健所でも対応してもらえます。
粂川
今夜は、荻窪の杉並保健所で、小児夜間診療の当番医をしています。
知名度が低いのか、インフルエンザの流行期以外は、受診の患者さんも少なく静かな雰囲気です。
発熱など、ご心配な症状があるようなら、ご利用下さい。
粂川
3歳以上の対象者には、すでに区からお知らせが郵送されたようで、接種する方が増えてきました。
お母様がたから、新しいワクチンなので大丈夫ですか・・・と言う質問が多いのですが、新しいとはいっても、実際は昨年の夏から全国的に流通し、接種を行ってきたワクチンです。安全性に関しては、まず問題ないものと考えられています。
幼稚園の年中さんと年長さんに当たる年齢の方には、対象外と言うことで区からお知らせは来ていないようですが、予診表があれば定期の予防接種(公費)で接種することができます。
7歳6ヶ月を過ぎてしまうと公費でできなくなってしまいます。できるだけ早めの接種をお勧めします。
粂川
ポリオを飲んだ後、1ヶ月ぐらいは便の中に少量ですがポリオウイルスが排泄されるため、その間は周囲への感染の可能性はゼロではないようです。
ポリオウイルスが感染したときの症状は、発熱など他のウイルス感染とかわらず、自然に治ってしまうものです。問題となる、足の麻痺などの重い後遺症が残るものは、感染者の1%未満だそうです。
もともとワクチンによる感染力は極めて低く、感染したとしても重い症状が出ることは、極めて稀です。通常であれば、安全性はかなり高いと考えていいと思います。
ステロイド内服などで免疫が低下しているような方は、念のためですが、1ヶ月ぐらいはおむつ交換後の手洗いを特に念入りにしてもらうと安心かと思います。
粂川
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